研究内容

研究テーマ

さまざまなライフステージにいる人々の
精神保健の維持・向上に貢献する

こころの健康は身体の健康と同じように、あらゆる人の基本的な権利とされています。したがって精神保健看護は患者さんのみならず、公衆衛生の観点から集団に働きかけを行います。
本分野では、さまざまなライフステージにいる人々に、こころの健康の早期支援・予防を届ける仕組みを提案することを目指しています。

(1)認知症とともに生きる人を支える

認知症は現在も確立された治療法がなく、しばしば診断から10年単位の長い経過を辿ります。認知症とともに生きる人が、自らの人生に希望を持ち続けられるケア体制の構築が求められています。
本分野では、認知症に対する社会のスティグマを軽減する方策や、将来のケア・医療の意思決定を支援するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)のあり方について、研究しています。

研究・実績

● スウェーデン発ケアプログラムの日本版開発・効果検証・普及と実装、オランダ版開発の協力
● 欧州緩和ケア学会タスクフォース 認知症ACPガイドライン策定事業の参画

研究パートナー

● Claudia Cooper(ロンドン大学クィーン・メアリー校)
https://orcid.org/0000-0002-2777-7616

● Jenny T. van der Steen(ライデン大学)
https://orcid.org/0000-0002-9063-7501

(2)思春期の成長発達、レジリエンスを高める

思春期という発達段階は、社会的にも生物学的にも大きな変化が起こります。
この時期に大きな逆境となる人生の出来事(逆境体験)を経験すると、精神保健の問題が発生しやすいだけではなく、成人後の情動・認知機能や社会機能の予後にも影響するといわれています。一方で同じ逆境体験に遭遇しても、必ずしも全員が悪化するわけではなく、逆境に対抗する力=レジリエンスをもつ人もいます。
本分野では、国内外の住民コホートを活用して、さまざまな角度からレジリエンスを高める環境要因について研究しています。

研究・実績

● 英国の住民コホートを用いたヤングケアラーの精神保健の実態分析
● 東京都の思春期コホートを用いた児童虐待防止に関連する分析

研究パートナー

● 西田 淳志(東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センター)
https://orcid.org/0000-0001-6451-7699

● Marcus Richards(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)
https://orcid.org/0000-0001-9191-2192

● Sarah Sullivan(ブリストル大学)
https://orcid.org/0000-0002-1446-8478

教員の研究業績

● 吉井 初美
https://researchmap.jp/7000006911

● 中西 三春
https://researchmap.jp/miharu_nakanishi

● 坂井 舞
https://researchmap.jp/sakaimai2