研究発表・プレスリリース

中西三春准教授、坂井舞助教、吉井初美教授らの論文が 「Journal of Alzheimer’s Disease」にオンライン公開されました

中西三春准教授、坂井舞助教、吉井初美教授らの論文が 「Journal of Alzheimer’s Disease」にオンライン公開されました。

コロナ禍において、認知症高齢者は一般高齢者と比べ、うつ症状を有するリスクが高かったことが複数の研究で示されています。しかし、(感染対策としての)対人接触の削減に伴う介護サービスの減少や休止が、こうしたうつ症状のリスクに関与しているかは明らかではありませんでした。

本研究ではコロナ前の認知症の有無、コロナ禍での在宅サービスの変動、およびうつ症状の間の関係をみるために、3つの高齢者コホート(※)のデータを取得して解析を行いました。
※イングランドのELSA、欧州のSHARE、アメリカのNHATS

解析の結果、認知症があること・在宅サービスを利用していることはそれぞれうつ症状の悪化と有意に関連していました。保健医療の危機において他者のケアに依存しなければいけないという状況が、本人の精神状態に影響を及ぼしたことが示唆されます。

リンクより本論文の抄録がご覧いただけます。
Association Between Dementia, Change in Home-Care Use, and Depressive Symptoms During the COVID-19 Pandemic: A Longitudinal Study Using Data from Three Cohort Studies
https://doi.org/10.3233/jad-240097